この世界の片隅に※ネタバレあり※

久しぶりに映画館で映画を鑑賞。

最後に見たのは、臨月の頃だったから、ちょうど2年ぶりの映画館。

ネットで席を予約して、QRコードで発券して…初めての体験。

どうしても見たい映画だったので、娘と父親の面会時間に行ってきた。

 

今年の目標は、魂が震える体験をすること、に設定したけれど、もう達成してしまった。。

想像をはるかに超えて強烈だった。

 

自分としてはポイントは4つ。

 

1.戦争はある日突然やってくるのではなく、日常に徐々に進出してくる、ということ。

その様子を自分が体験したようだった。はじめのうちはどこか他人事で、疑い交じりで、平和な日常が続いていくことに疑問すら感じていなかったのに、度重なる不幸が、徐々に、徐々に、生活に浸食して、平和と心身の健康を奪っていく。

もしかしたら、今も、もうすでに、この映画の冒頭のように、戦争は始まっているのかもしれない、と思い恐ろしくなった。

 

 

2.主人公が居場所を獲得していく。

「苗字も住むところも変わって、自分が自分じゃないような感じ」「夢を見ているよう」という言葉が印象的だった。

すずは、径子のように自分が決めた道を歩んでいるわけではなく、動いていく周りに少し遅れながら、なんとか自分を適応させようとする。 すずの生き方には、自分で道を切り開く、という意思があるわけではないが、力強い。

与えられた環境で、生活に工夫をして楽しみを作り出し、不平不満を並べることはしない。自ら選択することも心が強いことだけど、日常を楽しむことも、人のもつ強さだと感じた。

 

3.家族の在り方について。

今の自分のおかれている状況からか、家族の流動性に意識が向いた。

この時代には、今でいう一般的な、平均的な「家庭」を持つことが難しかったのだと思う。もしかしたら、この時代より以前は、いつもそうだったのかもしれない。祖父母の話を聞いても、今だったらあり得ないような、養子縁組の話が出てくる。

家族はこうあるべき、という形を大勢で作ってそうじゃないことをその他のもの、と決めたのも、ここ最近のことなのかもしれない。

多くの人が、一般的な幸せを求めている。

 

4.絵を描くということ

すずは絵を描くことが好き。好きなことをすると落ち着く。自分自身でいられる。想像力が自然と広がる。自分が純粋に自分でいられる。そういうものを持っていることはとても幸せなことだと思う。
恩師の作曲家の講演会の始まりのことば「私は作曲することが好きでして…」これに尽きるな。

好きなことをすること。私を生きている、ということ。それを奪われてしまう戦争というもの。

 

 

 途中、思いもよらない不幸なことが起きて絶望的な悲しみに落ちてしまうけれど、終戦とともに前を向き始める。

戦争が終わり、彩を失った生活から解放され、崩れた町を目前に、何としてでも生きていこう、と人々が前を向いたときの、目の前に絶対にやるべきことがあるという情熱と、それに混じった安堵感、開放感を追体験した。

 たくさんの人に見てもらいてい映画。