正直ピアノの先生、長めにつぶやく。

ピアノ講師歴10年。教室ブログには書けない本音を長めにつぶやきます。

ピアノレッスン時の絶対的な美、絶対的な悪は何か「美学への招待」を読む

常々疑問に思っていることがある。

私が美しいと思ったことを、生徒さんがそう思わなかった時、レッスンで先に進めない、ということ。

私が絶対に正しいという説明ができないこと。

 

綺麗な音、汚い音、といった時に、汚い音を「好き」と言われた時に、その先に進めないこと。

 

私が「美しい」と思うとても個人的な感覚を元に、雲を掴むような話をしているのではないか。

 

美しい音を、そう感じなかった時に「美意識がない」という言葉で切り捨てるピアノレッスン業界への疑問。

 

美意識を育てる、と言った時に、育てるべき「美意識」とは何なのか。
そこに疑問を挟む余地はないのか。

 

 

美学への入門として紹介されていたこちら↓を読んだ。

「美」について、現在地から様々な角度から解きほぐす。

美学への招待 増補版 (中公新書)

美学への招待 増補版 (中公新書)

 

 

美は一面的では語れないということ。
美をどのように扱うかという問題は、刻一刻と変化している。

音大で、ピアノを専攻していて、美学を扱うところは稀だと思うが、ピアノを演奏して、特に教えている人としては必読。 

特に増補版で加えられた「第10章美の哲学」の、「美」を芸術のみでなく多角的に捉え、その価値を探る部分は、とても面白い。
ダントーとネハマスの2人の哲学者の説に即して、美が人生に不可欠であることを論じていく。

 

しかし読んでますますわからなくなった。
結局のところ、自分自身が「美しい」と信じているものを断固として示すということが、ピアノのレッスンとしては理想的な姿なのかもしれない。

そこを迷っている先生のレッスンは道が曖昧だ。

 

とはいえ、独断的に言い切れない私は、もう少し裏付けが欲しいので勉強を続けるのみ。

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