フラジオレット!?優しさと新しさの「スオミ・ピアノ・スクール」
導入テキストのほかのどれにも似ていないフィンランド生まれのピアノテキスト「スオミ・ピアノ・スクール」。
- 価格: 1650 円
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優しい色あいと繊細なタッチのイラストがアメリカ生まれのテキストと一線を画している。
ページを捲るだけでもほっこり楽しいテキスト。
でもレッスンで導入するのは難しそうだなぁ、と本棚にしまっていたのだけと、改めて読み直すとなんて斬新!!
子どもを見守る視線の優しいこと!!
そして、音楽は「お勉強」ではなく「喜び」だという姿勢が徹底している!!
なんて素敵な教本なのかしら。
巻頭にある原著者の言葉より
「どの年代の人々も、自分が納得した方法で自己表現したいと思っています。
また、私たちが共通に目指すものは、創造性であり、ひとりひとりがそれを実現する潜在的な能力を持っています。」
うんうん。そうだよな。
小さな子どもも納得したいと思ってる。
表現したいと思ってる。
押しつけられることは嫌だと思ってる。
また監修の舘野泉さんの言葉。
「スオミ・ピアノ・テキスト」は「音楽と子どもに対する愛情が細やかに、しかも爽やかに行き渡っている」
「まず子どもの心を大事にし、一人前の人格としながら、人の心の営みである音楽の世界が、彼らの前に自然に開かれていくように心を配られている。」
巻末の解説ではピアノの先生へのアドバイスが詳細に書かれている。
そこからも溢れる音楽と子どもへの温かい眼差し。
たとえば、「手」という項目では
子どもはおもちゃを感情的に扱います。なでたり、たたいたり、押したり、打ったり、重さをかけたり、そっと触ったり、ひっかいたり、、愛撫したり、
そうしながらこどもは、自身にある物理的・心理的なエネルギーを発散します。
ピアノを、弾くということは、その同じ感情が音楽へ向かうということです。
ここには、正しい手の形が完成するまでピアノを弾かせない、というようなこととは対極の姿勢が見られる。
演奏をろくに聴かずに、手の形だけ見て評価を下すような世界の裏側にいるようだ。
ひとりひとりの自発性や自己表現したいという気持ちを大切にしていることがテキストの端々から滲みでている。
だからこそ、このテキストを扱うのは難しい!!
でも、ここにあるようなレッスンをできるようになりたいなぁ。
ピアノの先生自身の研鑽が不可欠だなぁ。
がんばろ。
ところで、このテキストで登場する「フラジオレット」。
フラジオレット!?
何それ??
左手で音を鳴らさずに鍵盤を押さえておくことらしい。
知らなかった!!
左手で押さえたまま、右手で音を鳴らして演奏する。
すると不思議な響きが聞こえる。
これは、子どもたち喜びそうだわ。
早速レッスンでやってみよう。
こちらはクレッシェンドを表すなんともかわいいうさぎちゃん。