これからのピアノレッスンのあり方〜岡田暁生著「音楽の危機」を読んで
これからのピアノレッスンのあり方について考えている。
岡田暁生著「音楽の危機」を読んだ。
昨年の緊急事態宣言中に書かれたもので、あの時の先行きが見えない、得体の知れないウィルスに生活全てがストップさせられた暮らしによる苛立ちが思い出される。
これまでの自分の音楽体験や、音楽を通して感じた違和感を紐解くことに重要な箇所が多くあり、今この本を読むことができてよかった。
こちらを読んで、では音楽の端っこの方にいる街のピアノ教室として、レッスンはどのような可能性があり、どう変わっていくのだろうかと考えるけれど、なかなかまとまらない。
在り方として思いついたことは以下の4つ。
★今できることとしては、ピアノのレッスンは幅広くいる事。
私のようなプロのプレイヤーではないピアノの先生ができることは、幅広くいることではないか。鍵盤楽器が生まれて今に到るまでの様々な音楽を、その時代のルールと共に知ること。即興や作曲を含めて、いろんなピアノのあり方を経験する。
★しかし結局のところ、音楽の深い部分を楽しみ、創造的であるためには、勉強と技術の鍛錬をおいては語れない。
目指すのは自由な幅広さでありながら、やるべきことは勉強と練習というこれまで通りのあり方だ。
その音楽が持っている、含んでいる、時間の流れや思想を汲み取ることができるように勉強と練習をすること。
★そして音楽をするということが、音に含まれる「気配」と、「時間」を扱うということを、常に念頭においておく。
★同時に、成長と共に自分がしっくりくる音楽を探すことを手助けできるように、生徒さん自身が感じることを大切にすること。
音楽を受け取るだけではなくて、自分で音楽をすることができる人に育ってもらうこと。
ピアノのレッスンをしているとレッスンは、目的であり手段であり目標を育む場でもあり、様々な側面がある。
レッスンの時間が音楽している時間になるようにしたいな。