ピアノのレッスンをしていると
「ゆっくり弾けばできるのに、なぜやらない・・・」
と感じることが多々あります。
特に低学年以下の小さなお子さんは、知っている曲は知っている速さで弾こうとします。
でも当然弾けることもなく、
「弾けない😭」と泣き出したり、イライラしたり・・・。
一緒にゆっくり、慎重に弾けば、すぐにできる。
「できた☺️」
と笑顔に。
ゆっくり練習することの大切さをわかってくれたかなと思っても、
ひとりで弾くとまた逆戻り。
また次週も同じことの繰り返し。
本当によくあります。
なぜ「ゆっくり弾く」ということができないのか。
まず、なぜ「弾けない!」とイライラしているのかというと、単純に思い描いていたように上手くいかないことを不快に思っている状態。
大人だったら考える
「どうやったら上手く弾けるのか」「何が悪いのか」
というようなことは、精神的な成熟が必要なこと。
不快だ!といって泣いているので、
「原因を取り除けばいい」と大人に対応するように話しても何も伝わりません。
小さなお子さんは、そのような成熟はされていないので、弾けない!やだ!と気持ちが爆発してしまっている状態。
まずは、落ち着いてもらう。
こう考えると原因を指摘したり、正しい方法を伝えることが正解ではないことがわかります。
理論的に伝えても、そんなことで不快は吹き飛びません。
ここには、
・自分の状態を客観的に把握すること、
・今やっていることを一旦やめること、
・新しい方法を受け入れること
といくつも段階があります。
不快で泣き叫んでいる幼い子にはとても大きなハードルです。
まずは、
弾けないことへの悔しさの理解をします。
その後に、弾ける方法へ導きます。
「先生と一緒にやってみよう。」と伝えて、
ものすごくゆっっっっくりと弾き始めます。
そうすると、理由はよく理解していないけれど弾ける。
弾けたという状況に導くことができたら、不快は少し吹き飛びます。
ここでメトロノームをつけるのはNGだと思っています。
メトロノームって、残念ながら嫌いな子多いですよね・・
もちろんメトロノームに合わせて練習するのは大切ですが、
今は、「弾けない!」と折れた心を立て直すのが先です。
心が折れた状態で、こちらの言葉もなかなか入っていきません。まずは冷静さを取り戻してもらう。
メトロノームは何ステップも先です。
では次に、一緒に弾いたことで「弾けた」ということを強調する。
「今、できたじゃん!」
「間違えなかったね!?」
「急にできるようになってすごい!」
その後に、
私「なんで弾けたんだろうね?」
生徒さん「・・・先生と一緒に弾いたから!」
私「そうだね。一緒なら弾けるね。先生のはやさ、どんなだった?」
生徒さん「おそかった!」
生徒さんに自覚してもらえた瞬間です。
「遅いと弾ける」
これを実感を伴って理解してもあることが第一段階です。
でも理解したからといって、よしでは「ゆっくり弾こう」とはならないのです。
「ゆっくり弾く」にも行くつも段階があります。
知っている曲だと特に、その曲をゆっくりにすることが難しい。
頭の中であってもゆっくり再生することは難しいですよね。
まずはその練習をします。
ゆっくりにして歌う
ゆっくりにして手を叩く
ゆっくりにして楽器を叩く
たくさんの「ゆっくりバージョン」を経験します。
これも1回やったからできるようになるわけではないので
レッスンで繰り返し、曲を「ゆっくり」にするという練習をします。
これが数週間すると、ゆっくり歌った後にゆっくり弾けるようになり、
また数週間すると、歌わなくてもゆっくり弾けるようになります。
ゆっくりゆっくりゆっくり・・・
忙しい時代に生きている子どもたちにとって、一番不得意なことかもしれません。
一方で速度を落として注意深く観察しながら行動することは、
必ず強みになるはずです。


