正直ピアノの先生、長めにつぶやく。

ピアノ講師歴10年。教室ブログには書けない本音を長めにつぶやきます。

教本が楽しくない時の対処法は・・?

自宅の教室ではなく、勤務している音楽教室でのこと。

2ヶ月の休校を経て6月にようやくレッスンを再開したのだけど、休校の間に教本は開かれず、好きな曲だけ弾いていた、という子の多いこと。

 

 

教本の曲は2ヶ月止まっていればそのままであるはずがなく、見事なまでに後退している。

すっかり忘れている!

それはそれは無残なありさま!

もう、目も当てられない!

聞いていられない。

 

そうなると、もともと風前の灯だった意欲はさらに削がれている。

 

意欲なく、つっかえつっかえ弾く生徒。

3月の日付が書かれた楽譜が虚しく譜面台に乗っている。

3ヶ月前に赤鉛筆で囲った部分を、そのままもう一度言う私。

 

これは、、、一体なんのための時間なのだ?

宙ぶらりんのその時間に、クラクラしてしまった。

 

 

こうなってしまったのは、もちろんピアノの先生である私のせいである。

絶対に。

私の指導不足だ。

 

 

ちなみに使っている教本は「オルガン●アノ」。

 

ピアノのレッスンを始めた頃に先輩に勧められた教本だ。

3年ほど前までは使っていたが、今ではほとんど使用していない。

 

この教本の良さはシンプルなところだと思う。

情報が盛りだくさんの教本に比べて、解説が少なくとてもシンプル。

こういう教本を使うときにこそ、教える側の力量が試されるのだとわかったのは最近のこと。

 

それに、これだけ音楽が自由に聞ける時代。

教本で曲に出会い、自分で奏でる音楽が新鮮だった頃に書かれた教本は、今の子にはしっくりこないのかもしれない。

 

教本を選ぶときに、教えるべき大切なことがわかっていれば、あとは曲の好みが大きく作用するのではないかと私は思っている。

大人の生徒さんなど、特に。

曲が魅力的かどうかというのはとても大きなファクター。

 

では、教本に今魅力を感じていない生徒さんにどうするか。

 

対処法その1:練習を見える化する

回数をこなすことで身につく類のものにはやはり効果がある。

それもわかりやすく、成果を見える化することがポイント。

練習した回数でマスが埋まっていく。

弾けた曲の数でマスが埋まっていく。

こんなに練習したんだ、こんなに弾けたんだ!とパッと目で見てわかるようにする。

 

対処法その2:ご褒美を用意する

古典的な手法だけれど、見える化の先に魅力的なご褒美があると、効果がある。

小さなぬいぐるみや、文房具を用意されている先生が多いようだ。

 

対処法その3:曲の魅力を伝える

どんな曲にも魅力はある。

楽譜からそれが読み取れていないだけかもしれない、と想定する。

いい音を鳴らすということができていない、と想定する。

先日のセミナーでも感じたように、2つ3つ音を鳴らすだけでも、魅力的な音というのはある。

いい音を鳴らして弾くと、どこまでもいい演奏はできる、ということを実際に聞かせながら、必死に全力で伝える!

 

対処法その4:教本を変える

それでもやる気が戻ってこない場合は、思い切って教本を変える。

曲の感じが違うものや、伴奏が付いているものに変えるのもいいかもしれない。

例えるなら、ヒップホップが好きな人が、一生懸命演歌の奏法を勉強しても苦しいだけ。

曲にはやはり好みがある。

 

 

来週のレッスンでは1から順にやってみよう。

うまくいくかしら。

 

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