発表会の曲を決める時に基準にしていること
生徒さんの発表会の曲を決めていくのはほんとうに大変な作業だし、プレッシャーだ。
数曲用意して、最終的には好きな方を選んでもらうのだけど、その用意が大変。
簡単すぎず、難しすぎず、モチベーションアップに繋がる曲を。
発表会は本番はもちろん大切だけど、その練習過程が目的の半分ぐらいをしめると考えている。
発表会の曲に取り組むことでグッと伸びるから。
失敗をしないで発表会で弾ききることを目的にしていたら、簡単な安全な曲を選ぶことがいいのだと思うが、練習で伸びることを目的にすると、生徒を信じて、少しレベルの高い成長できる曲を選ぶように自然となってくる。
生徒のことを考えながら曲を選んでいると、同じ教本をやっていて進度は同じぐらいの生徒たちでも、教本よりもずっと難しい曲を弾けるだろうと思える生徒と、
教本と同じレベルぐらいの曲がいいだろう、と思う生徒がいることがある。
よく使っている発表会用の曲集では、「バイエル初級程度」「ブルグミュラー程度」とか「ソナチネ程度」などレベルが書かれているものが多い。
例えばレッスンではブルグミュラーを弾いているけれど、ソナチネ程度の曲から選んでも大丈夫そうだと思う生徒と、ブルグミュラー程度から選ぼうと思う生徒がいる。
この違いは何だろう。
進んでいる教本は同じで身に付けていることはほぼ同じ程度なはずなのに、付いている実力が違うように私は認識している。
生徒さんや保護者の方の中にも、あの子と同じ進度なのにもらった曲のレベルが違う、と感じる方もいるだろう。
ピアノの先生は何を元に発表会の曲を選んでいるのか。
自分ごとながら、分析してみた。
譜読みの早さ
Aさんは1ヶ月で弾けるようになるだろうけど、Bさんは3ヶ月かかるだろう、とおおよそ予想する。
普段のレッスンの中で、生徒さんの譜読みの早さはわかる。
そしてそれはほんとうに人によって全然違う。
譜読みは早いければ早いほど良いと考えていて、譜読みが得意になるように力を入れてレッスンしている。
生徒さんがどのように音符を読んでいるのかということに注目してみていると、その様子は個性がある。
そして確立されるまでは、モヤモヤと流動的で、さっき読めたところが今読めない、などよくあることで、教えたから読める、というようにはことは進まない。
それぞれの状況を鑑みて選曲する。
普段の練習量
Cさんは1週間でこれぐらい進んでくる、Dさんはこれぐらい、
と普段のレッスンからこちらもだいたい予想される。
譜読みだけではなく、体に馴染んでいるかどうかなど、練習量は推測できる。
ところが発表会になると急にやる気を出して、Bさんが急に進むということもあって、普段のあれは何だったの?!と思わされることも。
やる気や性格に起因するところもあり、予想を裏切られることもある。
親のサポート
Eさんは親子で練習しているから家でつまずいてしまっても親御さんがサポートしている、Fさんは一人で練習しているからつまずいたらそこで自宅練習がストップしてしまう。という具合に。
確かにピアノのレベルをできるだけ素早く高く上げるためには、親御さんのサポートはとても効果的だ。
しかし、一人で練習をするという自律性と、自主性をピアノを通して学ぶことはとても大切。
自宅で親御さんのサポートのもと練習してくると、本当のところの実力がわからないということもある。
どちらがいいとは一概には言えない。
おおよそ、こんなことを考えながら選曲している。
選曲が不満な時は先生に異議を申し立ててもいいと思う。
選曲には理由がある。
でも、、、うまくいきますように、頑張ってくれますように、と祈るように選曲していることもわかってもらいたい。
嗚呼、悩ましき保護者対応、、、
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