正直ピアノの先生、長めにつぶやく。

ピアノ講師歴10年。教室ブログには書けない本音を長めにつぶやきます。

レッスンの質を向上させる一番の近道は生徒を観察することだった

ピアノのレッスンをしていて、消化不良になることをなんとかしたくて、悩んでいました。そのためにやってきたことはたくさんありますが、最近気がついたことが、答えは目の前の生徒さんにあるということです。

生徒さんをよくよく観察することがレッスン向上の近道だと気がついてから、レッスンが大きく変わったような気がしています。

同じように悩まれている方の参考になればと思い、今回まとめました。

 

目次

 

 

これまでのことと、気づき

レッスンがうまくいかないとずっと悩んでいたので、気合いを入れで勉強をすることにしました。

自分が受けてきたピアノのレッスンを参考にすることを一旦やめて、

教材研究をして、

セミナーを受けて、

ピアノレッスン関連の本を読み、

興味関心の繋がる本を読み、

勉強を続けてきました。

 

勉強を通して、自分の引き出しが増えていくのを実感します。

生徒さんの演奏に対して、提供できる引き出しが多いほど、レッスンは充実していきました。

 

しかし小さい子の導入のレッスンに関しては、他の少し大きな生徒さんほど、レッスンの引き出しが増えてもうまくまわりませんでした。

レッスンの引き出しに加えて、さらに必要な要素があることが、やっと、わかりました。

 

もっとも必要で効果的なことは「生徒さんを観察する」ということです。

 

こんな当たり前なことにどうしてこれまで気がつかなかったのか。

きっと、とても優秀な先生は早々に気が付いているのだと思います。

頭でっかちな私は、自分には知識と技術が足りないんだ、と思い込んでそこに舵を切っていました。

 

しかし勉強をやったからこそ、ああ、あこれだけではなくて、答えは生徒さんの中にあるのだ、ということに気がつくことができたのかもしれません。

 

小さなお子さんのレッスンの対処法2つ

 

 

3、4歳のお子さんのレッスンはピアノレッスンの中でも異質です。

集中力が短いし、興味がないことにはすぐに背を向けます。

自分の思いにとても正直で素直です。

 

色々な先生のレッスンを勉強させてもらって、1つの対処法としては、保護者の方にサポートしてもらうことです。すぐそばにいてもらって、ピアノに向かうように促すしてもらいます。

 

生徒さんのすぐ後ろに待機してもらい、レッスンに向かうように促します。

厳しいお母様の場合は、後ろにいるというだけで緊張感があるようで、自由な行動をしようとする小さな生徒さんの抑止力になります。

 

もう1つの対処法は、生徒さんの興味に合わせたレッスンをすることです。

保護者の方と完全に別にいてもらい、生徒と先生のコミュニケーションを大切にしながら、生徒さんの興味を絶えず惹きながら、レッスンを進めます。

 

そこでもっとも重要なことは、生徒さんは何に興味があるのか、生徒さんが気を惹かれるものは何か、何にワクワクするのか、何に目を輝かせるのかということです。

生徒さんがワクワクするものは、一人一人違います。

  • パズルのように自分組み立てるものに目が輝く子
  • 体を大きく動かす体操にノリノリの子
  • 目を閉じて耳を澄ますことを何度も「やりたい」という子
  • ライオンの声の真似をクラスターでやることに大喜びの子

その子を注意深く見ること以外に、ワクワクすることを見つける方法はありません。

 

ピアノの先生の仕事?

生徒さんの興味を観察してあの手この手でレッスンを組み立てることは、「ピアノ」を専門的にやってきて身につけたこととはかけ離れているかもしれません。

 

しかしピアノの「先生」という意味では、当然のことです。

ピアノと音楽をどのように獲得していくのか、という知識と、

小さな生徒さんがどんなことに興味があるのかを掛け合わせて、楽しい時間を過ごし学んでいってもらうことが、ピアノの先生の仕事だと思います。

 

一流のピアニストではない街のピアノの先生が、正しく自分の能力を把握して、できることを提供しようとするならば、専門的な技術を身につけさせようということではなく、「ピアノって、音楽って、楽しい!!」という気持ちを少しも損なわずに、基礎をしっかりと身につけてもらうということではないかと最近思っています。

 

私がやったこと

 

そのために私がやったことは、これまではレッスンの内容を記入していた個人のレッスンノートに、生徒さんがレッスン中に目を輝かせた「ワクワクポイント」を記入することです。

例えば、とある生徒さんのレッスンノートでは、

  • バス停の話
  • ○✖️のプレートを使ったクイズ
  • 音の階段
  • 指の関節の話

という感じです。

 

次のレッスンでは、その項目を発展させてレッスンを組み立てます。
レッスンで取り上げたい項目と、「ワクワクポイント」をいかに掛け合わせるかを考えます。

 

また、ノートに「ワクワクポイント」を書くと決めていると、レッスン中にさらに生徒さんを観察しようとします。

 

これを始めてから、レッスンが消化不良ということが少しずつ減っていきました。

45分のレッスンでも、生徒さんが話を聞かずにフラフラ立ち歩く、ということがなくなりました。

 

「それでは、今日はここまでにしようね」

と行った時に「もう?」と生徒さんが言えばガッツポーズです。

 

生徒さんも充実した時間が過ごせて、私も充実。

お互いに満ち足りた時間を過ごすことができます。

 

生徒さんは退屈してフラフラ、私は困って慌ててあの手この手で疲労困憊、、、というような悪循環から少し抜け出せたような気がします。

 

レッスンをいいものにしたいという勉強の答えはすごく身近にありました。

本当にピアノの先生の仕事は奥が深く、面白い仕事です。

 

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