前回の記事で紹介した「スオミ・ピアノ・スクール 音楽への旅立ち」。
こちらで魅力的に感じたことがもう1つ。
即興演奏を早い段階から定期的に取り入れていることです。
【目次】
音符を覚える前から 先生と
まだ「ドレミ」を覚えはじめる前の段階で、黒鍵だけを使って、即興で演奏する項目があります。
先生が伴奏を弾き、生徒は黒鍵のどこを弾いてもいい。
先生と生徒が共有するイメージは、2つです。
- 「くろうさぎちゃんの ゆかいな なかま」というタイトル
- 黒鍵の上を楽しそうに歩くうさぎのイラスト
先生用にはその下に4拍子の伴奏が書いてあるので、響きとリズムを支えます。
実際にこれを、普段からピアノの曲に歌詞をつけたり、伴奏を少し変えてみたいと提案する独創的な生徒さんと一緒にやってみたら、楽しい!
黒鍵を自由に弾くだけで曲ができるし、「間違い」というものは存在しないし、全部正解!
生徒さんも「たのしい!すごーい!もう一回!」と生き生きしていました。
豊かな調性を感じながらアンサンブルの練習にも
鍵盤のドレミの場所を覚えたら、また即興。
ここでもまた、うさぎの絵とタイトルをヒントに演奏します。
- 「うれしい」
- 「かなしい」
- 「にほん風に」
- 「アラビア風に」
先生の伴奏の響きで色々な調性の豊かさを楽しめます。
終わるタイミングは、はじめのうちは、「次で終わるよー♪」と演奏しながら声をかけていましたが、次第に目を見て、呼吸を合わせて終われるようになりました。
それがまた楽しい。
アンサンブルの練習にもなります。
ひとりで即興演奏
「スオミ・ピアノ・スクール 音楽への旅立ち」を終えると、「スオミ・ピアノ・スクール1」に進みます。
こちらでは、先生と一緒にではなくひとりで即興演奏をします。
- 「ゆめのくに」・・5度の中で自由に即興
- 「そっきょうワルツ」・・・左手の伴奏に合わせて右手で自由にメロディー即興
- 「おばけのはなし」・・・絵を見て、指定された4つの音をテーマに、即興
巻末にある先生へ向けた解説で、「おばけのはなし」の項目が絶妙です。
生徒自身の技術で、どの程度できるかということなど、すべて無視します。生徒自身で自由に弾かせましょう。
おもわぬ、おもしろいものができるかもしれません。
先生の理想に当てはめようとするのではなく、
生徒さんを一人前の人格として認めている関係性が、あるからこその解説です。
生徒さんがのびのびとできる時間があると音楽への喜びを素直に感じることができそうです。
「スオミ・ピアノ・スクール2」では形式を意識した即興演奏へと続きます。
先生と生徒の双方向の信頼関係があるからこそできる即興演奏への導き方。
とても参考になります。
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