相変わらず多くのピアノの教本とにらめっこしている。
そろそろ日本で手に入るピアノの教本はほとんど見てきたのではないかしら。
たくさんの教本を見比べていると、教本がそれぞれ人格を持っているように思えてきた。
表紙や中身のデザイン、
言葉遣い、
イラスト、
カリキュラムの構成、
文字のフォント、
譜面のデザイン、
音符の大きさ、
五線の幅、
紙の質、
そしてもちろん収録されている曲。
全てが合わさって、1つのキャラクターが浮かび上がってくる。
カリキュラムの構成が似ていたとしても、ひとつとして同じ教本はない。
著者にとって1つの作品だから、当たり前といえば当たり前か。
自分と気があうキャラクターの教本を選ぶことって重要だな。
完璧に網羅しているんだけど、なんだか仲良くなれなそうな教本があったり。
隙間だらけなのに、愛嬌があって、好きだなと思える教本があったり。
友達と仲良くなるように、教本と仲良くなって、
こんな素敵な人いるんだよって友達を紹介するような気持ちで生徒さんに手渡せたらいいな。
そう思うと、世間的にいいと言われているものが自分にとってもいいのもかどうかはわからない。
自分にとってしっくりくるものが、生徒さんにしっくりくるかどうかも、わからない。
でも、せめて自信を持って紹介できる友達であることが紹介する側の使命だよなー。
自分も生徒も幸せになれる時間を共有したいので、生徒さんに合わせるばかりの教本選びだとレッスン時間が苦しくなる。
多少不足があっても、自分がとても仲良くなれる教本を使って、同時に自分の引き出しを増やして不足を補っていくというやり方が、私には幸せな道筋のように思えてきた。