以前から気になっていたこちらの本。
私は演奏が本業ではないので縁がないと思っていたが、ひょんなことから手に取ることになったら、とても面白い。
ピアノのレッスンを専業にしている先生こそ読むべき本だった。
なぜなら「成功する音楽家」を育てるのが仕事だから。
音楽家というと、演奏を専業としているプロをイメージするが、この本の対象はその方たちだけではない。
アマチュアで音楽を楽しんでいる人も、発表会などのステージで聴衆に音楽を届ける、もしくは聴衆と音楽を共有するという機会を持っていれば、それはもう「音楽家」の一面を持っていると言っていい。
そして、一面だろうが、全面だろうが、音楽に関わる音楽家を良い方向へ導こうというのが音楽の「先生」だ。
思えば、ピアノのレッスンで音楽に向き合うことを一生懸命に伝えていたけれど、では、それをどのように聴いてくれる人たちと共有するのかということについて、私は教えるとはできていない。
曲を本番日までに適切に仕上げる方法、ステージに立つ時の心構えなど、音楽を披露する際の準備について、必要な情報を十分に与えられていなかった。
これまでのことを振り返ると、子どもの頃に習っていた先生は自然とこの方法で導いてくれていた。
しかし、それをそれとして身につけず大人になった愚かな私は、はちゃめちゃな方法で本番に向かい玉砕していた、、、
必要なのはとにかく「徹底した準備」。
これにつきる。
何をどのように徹底して準備するのかということを、こちらの本にはとても具体的に示している。
計画的に練習するとはどういうことか。
演奏への不安をいかに解消するか。
パフォーマンスするアーティストとしてのあり方は。
必要な準備を詳細に渡ってまさに「戦略的に」分析している。
生徒さんに態度と言葉で伝えていきたい。
そのためには、まず自分も本番をこなさなれば、、、と実感したのでした。
ぜひピアノの先生方に読んでいただきたい。