楽譜を読むことさえスムーズにできるようになれば、ピアノをいつか辞める時が来ても、自分で曲を読んで楽しむことができるようになるだろう。
ピアノのレッスンに通って一番残るものは、楽譜を読めるようになることだと思っていた。
そこに至るには、ピアノレッスンを始めてからこれまでの経験も影響している。
レッスンをしていく中で、自然と身についていくものだと思っていた楽譜の読み方が、勝手に身につくものではないのだと思い知らされたことだ。
例えば、2度の音符を見たときに隣の音を弾くということや、
音の重なりを見て、和音をつかむ手の形を把握することなど。
加線の音符が出て来たときに、どうやって読むのか?など。
自然と身につけていくだろうというのは私の思い込みで、しっかり教えないと身についていかない場合もある。それは教える側の責任だ。
そこから私は、音符を読むといことをいかに身につけてもらうかということにやっきになっていた。
そうやって取り組んでいくと楽譜を読めるようになることは奥が深く、楽譜を上手く読めるようになることがレッスンの中心になっていた。
次第に肝心な音楽が後ろに取り残されていってしまった。
いつの間にか私の教室は、音楽教室という名前でありながら楽譜の読み方教室になっていた!
ふと気がついたときに「あれ!?なんか違う!?」という状態に。
音楽をすることがこの教室の目的なのに!
一人一人が充実した音楽を実現することを目指していたのに!
そんなわけで今、絶賛、軌道修正中。
もちろん、演奏につながる楽譜の読み方は大切だから、そこを省略はしないけれど、それは手段であって目的ではないことを忘れないようにしないと。
楽譜を読むことを最重要視していると、耳から曲に入って弾くことが諸悪の根源のように思えたけれど、そこにも重要な音楽へのアプローチの仕方が含まれている。
もっと視野を広く持たないとな。